平日の朝食には、梅干が食べたい。 子供の頃から梅干が大好き。
梅干は家で漬けるモノだと思っている。
梅干の作り方は、時間と手間はかかる。味付け等は、それほど難しいわけでもなく、ざっくりと云えば、『良く洗った青梅を塩と共に漬け込み7月下旬の夏の暑い日に3・4日天日に晒して干す』というもの。
紫蘇の葉を一緒に漬け込むか否かで、赤い梅干になるかどうかが異なる。
塩と共に漬け込むことで、梅の実から梅酢が出て漬かっていく。
梅干はしょっぱくて酸っぱいもので、保存食のはず。
そのクエン酸の作用で、おにぎりや弁当のご飯がいたむのを防ぐ防腐剤の効用もあったはず。
最近の市販の梅干は、しょっぱくも酸っぱくも無い寝ぼけた味の物が多い。
挙句の果てには、常温ではカビが生えて保存の出来ない、本末転倒のものさえある。
ちゃんと漬かっている梅干は、種の中の天神様も美味しい。
ところが、市販の梅干もどきは、種の中に梅酢が浸透していない為であろう、天神様が苦くて美味しくない。
調べると、塩分の摂取を控える為とか、嗜好の変化などの理由で、市販の梅干は本来の作り方では無くなった「調味梅漬け」が幅を利かしているらしい。
バカバカしいのは、調味梅漬けの作り方だ。
熟した梅を塩漬けにするまでは一緒だが、そのあと梅酢をすて梅の実を水に晒して塩抜きをし、調味液に漬け込み味付けする。
これでは、梅の実の本来の味も酸味(主にクエン酸)も失われ、抜け殻のような梅干の残骸を食べるようなもの。
こんな小さな事ではるが、日本の文化の崩壊がじわじわと進んでいることの現われはあるまいか。
あたしゃ、ちゃんとしょっぱくて酸っぱい梅干が食べたい。
今日の日常