日曜日
富士山が「世界遺産」に登録。
世界遺産だが「文化遺産」である。名称は、「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」。
あの山は、そこへ登る価値があるのではなく、遠景を愛でることに価値がある。
登って楽しい山ではない。
批判を恐れずに言えば、富士山は「大きなぼた山」だ。
近づくほど、醜い。ある程度距離を置いて、全景を眺めて美しさを愛でるべき。
文化遺産だから、美保の松原、江戸の街、渡良瀬遊水池、利根川の堤、そこからの遠景を愛でて、昔から見ていた人々に思いを巡らせる。そんな楽しみ方をすべきものだろう。
昨年5月、千葉県外周1周を達成したと思っていたが、1か所見落としがあった。
利根川が茨城県との境だと思っていたが、香取市と潮来・稲敷との境は、利根川の左岸の向こう常陸利根川と横利根川にあった。
潮来のあやめ祭りにかこつけて、今日は残った県境を探りに出かけた。

小見川大橋を越え下って行くと、左手に常陸利根川右手に利根川と、2つの大きな川。
小見川大橋から利根川大橋までの間に、小見川・萩原の2つの閘門があった。
利根川の方が30cmほど、水位が高い。
常陸利根川側の水門が降り、水位を調整してから利根川側の水門が上がってから、船を通す。
偶然両閘門で、ちょうど釣り船が常陸利根川から利根川へ抜けるため、閘門を通過する所を見ることが出来た。

加藤洲の田んぼの中。護岸のない水位の高い用水路、水平に広がる田んぼ。
まるで、新潟の実家の周辺の様な景色。
記憶の奥底に刻まれた景色が、そこにある。
とてもほっとした気分。
潮来の常陸利根川沿いから慈母観音へ向かう道は、あの震災により破損した道路の修理工事中。
歩道は凸凹で、歩けたもんでは無い。道路の側溝が50cmも持ち上がっているところもあった。
慈母観音の本堂は修復されていたが、鐘楼はまだ鉄骨の仮設。

あやめ祭りの会場は、とても賑やかだった。
御囃子が聞こえ、踊りが披露されていた。
あやめの花は、午後3時にこの天候で、いささか艶を失っていたのは仕方がない。

常陸利根川の堤に、遊覧船の乗り場があった。
ここから、向こう岸へ渡り、閘門を通過して加藤洲十二橋の与田浦へ遊覧する。
前川沿いを歩いていると、川からバイクのような音が聞こえる。
船外機付きの遊覧船の音。

ろ船は、音も無く優雅に行き来する。
どうせ乗るなら、ろ船のほうが優雅でよさそう。
今日の日常